「病院、行かないとね」
そう言いながら、旦那はゲーム画面から目を離しませんでした。
行こうとは言う。
でも、予約は入らない。
その状態が、2ヶ月続いていました。
妊活を始めた頃、私はもっと“温かいもの”だと思っていました。
夫婦で支え合って、同じ方向を向いて進んでいくものだと。
でも実際は違いました。
病院の話をするたびに空気が重くなって、気づけば「妊活」という言葉自体がタブーみたいになっていました。
今回は、
- 妊活の温度差
- 旦那が病院に行ってくれなかったこと
- 妊活中の夫婦喧嘩
- そこから話し合えるようになるまで
を、実体験として書きます。
同じように、
- 私ばっかり焦ってる気がする
- 病院の話を切り出しづらい
- 妊活のことで喧嘩ばかり
そんな人に読んでもらえたら嬉しいです。
「病院行かないとね」で止まっていた2ヶ月
「病院、行かないとね」
「そろそろ行かなきゃね」
そんな会話は何度もしていました。
でも、そこから先に進まない。
予約は入らないまま、時間だけが過ぎていきました。
妊活や病院の話を切り出すのは、いつも私だった
「病院どうする?」
そう聞くと、
「そろそろ行かなきゃね」
返事はある。
でも、その先が続きませんでした。
彼はゲーム画面を見たまま、こちらを見ません。
私は何か言わないと、と思いながらも、それ以上言えませんでした。
病院の話や妊活の話を切り出すのは、いつも私でした。
妊活の話をいつ切り出そうか、私はいつも旦那の様子を伺っていました。
今なら言えるかも。
そう思っても、結局やめる。
そんなことを何度も繰り返していました。
いざ話題に出しても、“妊活”という言葉だけが浮いている気がして、自分でも不自然なくらい意気込んでしまっていました。
そのたびに、少しだけ空気が変わる感じがしていました。
「またその話?」
実際に言われたわけではないのに、そんな空気を感じていました。
責めたいわけじゃない。
ただ、一緒に前に進みたかっただけでした。
妊活中、「私だけが頑張っている」と感じてしまった
本当は、2人で向き合いたかったんです。
でも気づけば、私だけが焦って、1人で頑張っているような感覚になっていました。
「協力する」と言ってくれているのに、なかなか行動には移らない。
そのことが、少しずつ不安になっていきました。
でも強く言えば、責めているみたいになる気がして言えませんでした。
もし病院に行って、手術になったら。
痛い思いをするのは彼です。
自分が“病院に行かせる側”になっているような気がして、申し訳なさや罪悪感もありました。
それでも、子どもが欲しい気持ちは本気でした。
だから余計に苦しかったんだと思います。
妊活中、一番大きな喧嘩をした日
ある日、我慢できずに言ってしまいました。
「病院行くって言ってるのに、全然行かんやん」
すると彼は、
「そっちも促すだけやん」
と言いました。
私は、
「強く言えない気持ち分からんの?」
「毎回、私から話題に出してるの気づいてる?」
と返しました。
すると彼は、
「そんなに行ってほしいなら、自分で予約取ればいいやん」
と言いました。
その瞬間、張っていた糸が切れたみたいでした。
私はずっと、相手を傷つけないように言葉を選んでいたつもりでした。
でも彼からしたら、“本気度”が伝わっていなかったんだと思います。
彼も、
「その言い方やけん、そんなに急いで病院行ってほしいとは思わんかった」
と話していました。
どっちの言い分も少し分かるからこそ、苦しかったです。
その日はお互い余裕がなく、ちゃんと話せないまま寝ました。
次の日も気まずいまま、それぞれ会社へ行きました。
「帰ったら、もう一回話そう」
仕事をして、お互い少し冷静になった頃。
彼から連絡が来ました。
「帰ったら、もう一回話そう」
私は先に家に帰って待っていました。
彼は「急いで帰る」と連絡をくれて、その日はご飯も食べずに話し合いを始めました。
リビングのソファに座って、最初はお互い今の気持ちを話しました。
でも途中で、私は泣いてしまいました。
初めて本音を伝えた日
「今さ、私が先頭を歩いて、あなたを引きずってる感じなんよ」
「一緒に来いよ、って。私の理想かもしれんけど、一緒に頑張りたいんよ」
そう言いながら、自分でも苦しくなっていました。
私は妊活って、もっと心が温かいものだと思っていました。
でも現実は違いました。
喧嘩になって、すれ違って、傷ついて。
その時は、
「こんなに喧嘩になるんだったら、ブライダルチェックなんか受けなきゃよかった」
「もう子どもなんていらない」
そう泣きながら言ってしまいました。
妊活中、旦那が病院に行きたがらなかった理由
彼も、その時初めて本音を話してくれました。
- プレッシャーや義務感
- 自分が不妊の原因かもしれない怖さ
- 精液検査への抵抗
- 手術になるかもしれない不安
- 結婚してすぐで、まだ現実として受け止めきれていなかったこと
そして、
「そこまで焦ってると思ってなかった」
とも言われました。
でも、私が「もう子どもなんていらない」と言った時、初めて強く思ったそうです。
「〇〇が子ども欲しいってずっと言ってたの知ってるし、子どもいらないなんて冗談でも言わないで」
その言葉を聞いた時、
向き合っていなかったわけじゃなくて、向き合うのが怖かったんだと初めて分かりました。
そこから、夫婦で変わったこと
その日、彼は病院の予約を取ってくれました。
そこから精索静脈瘤の治療が始まりました。
そして私たちも、少しずつ変わっていきました。
以前はタブーみたいになっていた妊活の話も、少しずつ自然に話せるようになりました。
- 排卵日のこと
- 生理が来たこと
- 病院で聞いたこと
そういうことを、今は普通に共有しています。
妊活で喧嘩にならないために、私たちが意識したこと
妊活は、気持ちだけでは進みません。
だからこそ、話し方を変えることを意識しました。
① 曖昧な言い方をしない
以前の私は、
「病院行かないとね」
「そろそろ行こうか」
みたいに、相手に委ねる言い方をしていました。
でもそれだと、
- 相手には緊急性が伝わらない
- お互い“そのうち”になる
ことが多かったです。
なので今は、
「今週予約できそう?」
「次の休みの日に電話してみる?」
みたいに、“どう動くか”まで具体的に話すようにしました。
② 察してほしいをやめる
「言わなくても分かってほしい」ではなく、ちゃんと言葉にする。
これはかなり意識するようになりました。
③ 話し合いは冷静になってからする
喧嘩した直後は、お互い感情的になっていました。
だから、
- 少し時間を置く
- 冷静になってから話す
- 一気に全部解決しようとしない
これも意識するようになりました。
④ “ありがとう”を忘れない
小さいことでも、「ありがとう」をちゃんと伝える。
これだけでも空気はかなり変わりました。
もし今、夫婦の温度差に悩んでいるなら
あの頃の私は、
- なんで動いてくれないの?
- なんで私ばっかり?
- 本当に子ども欲しいと思ってる?
そんなことばかり考えていました。
でも今思うのは、
「向き合っていない」のではなく、
“向き合う怖さ”を抱えていたのかもしれない、ということです。
もちろん、全部がうまくいくわけではありません。
でも、“ちゃんと話す”ことで変わることもありました。
もし今、同じように悩んでいる人がいたら、1人で抱え込みすぎないでほしいと思います。
おわりに
振り返ると、あの喧嘩がなければ、私たちはちゃんと向き合えなかったかもしれません。
妊活は、1人ではできません。
だからこそ、「分かってくれるはず」ではなく、ちゃんと伝えることが大切なんだと思いました。
今でも不安になることはあります。
それでも以前より、「妊活」を2人で話せるようになりました。
あの時、ちゃんと話し合ってよかったと思っています。

