第17話|手術から1か月。夫とハイタッチした日

※この記事は、私たち夫婦の体験談です。
検査結果や術後の経過には個人差があります。
医療的な判断が必要な場合は、専門の医療機関へ相談してください。

夫が精索静脈瘤の手術を受けてから、
1か月ほどが経ちました。

手術当日は、
痛そうな夫の姿を見て、
日帰りでも簡単なことではないと感じました。

怖かったと思います。
痛かったと思います。

それでも夫は、
妊活のために、
夫婦で前に進むために、
手術を受けてくれました。

その後、私もPCOSと分かり、
またひとつ不安が増えました。

夫は男性不妊。
私はPCOS。

そう思うと、
これから本当に妊娠できるのかなと
不安になる日もありました。

そんな中で迎えた、
夫の術後1か月の検査。

これは、
手術後の検査結果を見て、
夫とハイタッチした日の話です。


夫はひとりで検診へ行った

術後1か月の検診は、
夫ひとりで行きました。

私は仕事でした。

結果が気になって、
仕事中も何度かスマホを見てしまいました。

手術を受けたからといって、
すぐに全部が良くなるわけではありません。

そのことは分かっていました。

精索静脈瘤の手術後の変化は、
3〜6か月くらいかけて見ていくものだと
聞いていました。

だから、
術後1か月の時点では、
まだ大きな変化は出ないかもしれない。

そう思っていました。

でも、
夫が痛い思いをして受けてくれた手術だからこそ、
どうか少しでも良くなっていてほしい。

そんな気持ちもありました。

期待したい。

でも、期待しすぎるのは怖い。

もし変わっていなかったら。
もし思ったより良くなっていなかったら。

夫はどう感じるんだろう。
私もまた落ち込んでしまうのかな。

結果を聞く前から、
そんな不安がありました。


LINEの様子で、少し気づいていた

検診が終わったあと、
夫からLINEが来ました。

私はすぐに、

「結果どうだった?」

と聞きました。

でも夫は、
はっきり答えませんでした。

少しはぐらかしたり、
よくなかったような素振りのスタンプを送ってきたりしました。

一瞬、不安になりました。

でもすぐに、
本当に悪かったら、
夫はそんなスタンプだけで返さないだろうなと思いました。

もし本当に悪い結果だったら、
きっともっと言葉を選ぶはず。

そう思うと、
私は薄々気づいていました。

もしかして、
そんなに悪くなかったのかもしれない。

でも、まだ結果を見るまでは分かりません。

嬉しい方に期待して、
違った時に落ち込みたくなくて。

私は仕事をしながら、
早くちゃんと結果を聞きたいと思っていました。


夫が封筒を渡してきた

仕事が終わって、
夫から結果を聞きました。

夫は、
何も言わずに、
検査結果が入った封筒を私に渡してきました。

その瞬間、
胸がどきどきしました。

私は封筒を開けて、
中の結果を見ました。

運動率も、
精子数も、
形態率も。

全体的に、
手術前より良くなっていました。

私は思わず言いました。

「めっちゃ改善しとるやん!」

その瞬間、
本当に嬉しかったです。


1か月での改善に、私たちも驚いた

夫に聞くと、
先生も少し驚いていたそうです。

「良くなってますね」

そんなふうに言われたと聞きました。

手術後の変化は、
もう少し時間をかけて見ていくものだと思っていました。

だから私たちも、
術後1か月の検査では、
まだ大きな変化はないかもしれないと思っていました。

それなのに、
全体的に良くなっていました。

先生も驚いていて、
私たちも本当にびっくりしました。

もちろん、
精液検査の結果は日によって変わることもあります。

この一回の結果だけで、
すべてが解決したわけではありません。

それは分かっていました。

でも、それでも嬉しかったです。

まだ先だと思っていた変化が、
1か月で少し見えたこと。

夫が手術を受けてくれたことが、
少し結果につながったのかもしれないと思えたこと。

そのことが、
その時の私たちには大きかったです。


家でハイタッチした

結果を見たあと、
夫と目が合いました。

「めっちゃ改善しとるやん!」

そう言ったあと、
私たちは自然とハイタッチしました。

ぱちん、と小さく手を合わせて、
ふたりで喜びました。

夫も、

「よかった」

「安心した」

と言っていました。

私も本当に嬉しかったです。

嬉しい。
よかった。
本当によかった。

そんな気持ちでいっぱいでした。

男性ブライダルチェックで、
自然妊娠を期待するには非常に不良な結果だと書かれていた日。

夫が落ち込んでいた日。

病院の話をするたびに気まずくなった日。

手術を受けると決めてくれた日。

手術が終わって、
痛そうにしていた日。

その全部を思い出すと、
このハイタッチはただの喜びではありませんでした。

ここまで来たね。

少し前に進めたね。

そう言っているようなハイタッチでした。


手術を受けてくれて、本当によかった

結果を見たあと、
私は改めて夫への感謝でいっぱいになりました。

手術を受けると決めてくれたこと。

怖いはずなのに、
前に進もうとしてくれたこと。

術後に痛みがあっても、
妊活に向き合ってくれたこと。

その全部が、
この結果につながったのかもしれない。

そう思いました。

もちろん、
結果が良かったから感謝しているわけではありません。

結果がどうであっても、
夫が手術を受けてくれたこと自体が、
私にとっては本当に大きなことでした。

でも、
少しでも良い変化が見えたことで、
夫の頑張りが報われたような気がして、
胸がいっぱいになりました。

手術を受けてくれてありがとう。

本当に、
受けてくれてありがとう。

何度もそう思いました。


でも、安心しきるのは怖かった

喜んだあと、
私は少しだけ冷静になりました。

嬉しい。

本当に嬉しい。

でも、
安心しきるのは怖い。

そんな気持ちもありました。

精液検査は変動があるものだと聞いていました。

今回の結果が良くても、
次も同じように良いとは限らない。

そう思うと、
全部安心してしまうのが少し怖かったです。

もし次の結果が良くなかったら、
その時のショックが大きくなってしまうかもしれない。

だから私は心の中で、

一旦は嬉しい。

そう思うようにしていました。

全部大丈夫になったわけじゃない。

でも、今日は嬉しい。

そのくらいの気持ちで、
この結果を受け止めていました。


これで終わりではなかった

嬉しい結果でした。

でも、
これで妊活が終わったわけではありません。

妊娠したわけでもありません。

私にはPCOSがありました。

排卵日の予測が難しいかもしれないと言われていました。

これから基礎体温をつけたり、
排卵検査薬を使ったり、
必要なら不妊治療外来に相談することも考えていました。

だから、
この結果だけで安心しきることはできませんでした。

嬉しい。

でも、まだ分からない。

安心したい。

でも、まだ不安もある。

それでもこの日は、
ちゃんと喜んでいい日だったと思います。


喜べる時に、ちゃんと喜ぶこと

妊活をしていると、
不安になることがたくさんあります。

結果を待つ時間。
検索してしまう夜。
生理が来た時の落ち込み。
次は何をしたらいいんだろうという焦り。

不安ばかりに目が向いてしまうことがあります。

でもこの日、
私は思いました。

嬉しい時は、
ちゃんと喜んでいいんだ。

まだ先が分からなくても。

まだ妊娠できたわけじゃなくても。

それでも、
夫が頑張ってくれたこと。
検査結果が良かったこと。
ふたりで喜べたこと。

それは、
ちゃんと大切にしていいことなんだと思いました。


夫婦で同じ方向を見られた気がした

これまで、
妊活のことで何度もすれ違ってきました。

私ばかり焦っているように感じたこと。

夫の本音が分からなくなったこと。

頻度の話で喧嘩したこと。

病院の話で泣いたこと。

でもこの日は、
ふたりで同じ結果を見て、
ふたりで一緒に喜べました。

それが嬉しかったです。

同じ方向を向けている。

少しだけ、
そう感じられました。

妊活は、
結果だけではなく、
途中でどう支え合えるかも大切なのかもしれません。

この日は、
そのことを少し感じられた日でした。


今振り返って思うこと

術後1か月の検査結果が良かったことは、
私たちにとって大きな希望になりました。

もちろん、
その結果だけですべてが決まるわけではありません。

日によって変わることもあるし、
この先どうなるかはまだ分かりませんでした。

それでも、
夫が手術を受けてくれたこと。

その結果、
良い変化が見えたこと。

そしてそれを、
ふたりで喜べたこと。

その全部が、
私たちには必要な時間だったと思います。

妊活中は、
不安なことばかりが記憶に残りやすいです。

でもこの日は、
ちゃんと嬉しかった日として残っています。

夫とハイタッチしたあの瞬間は、
今でも大切な記憶です。


同じように不安を抱えている人へ

検査結果を待つ時間は、
本当に落ち着かないと思います。

期待したい。

でも期待しすぎるのが怖い。

良くなっていてほしい。

でも、もし変わっていなかったらどうしよう。

そんな気持ちになることもあると思います。

私もそうでした。

結果が良かったからといって、
すべてが解決するわけではありません。

でも、
少しでも前に進めたと思える瞬間があったら、
その時はちゃんと喜んでいいのかもしれません。

不安の中にある小さな希望を、
ふたりで分け合えること。

それも、
妊活を続ける力になるのだと思います。


次のお話

夫の術後1か月の検査結果を聞いて、
私たちは少し希望を持てました。

でも、
私にはPCOSがあり、
排卵日の予測が難しいかもしれないという不安もありました。

このまま自己流で続けていいのか。
不妊治療外来に相談した方がいいのか。
治療にはどれくらいお金がかかるのか。

分からないことが増えてきた私たちは、
不妊治療外来へ話を聞きに行くことにしました。

次のお話では、
不妊治療外来に2人で行った日のことを書いています。

▶ 第18話|不妊治療外来に2人で行った日


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こちらに時系列でまとめています。

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