第14話|私にも原因があるかもしれない

※この記事は、私たち夫婦の体験談です。
検査結果や診断、治療方針には個人差があります。
医療的な判断が必要な場合は、専門の医療機関へ相談してください。

夫の精索静脈瘤の手術が終わり、
少しだけほっとしていた頃。

今度は、
自分の身体のことが気になり始めました。

最初に異常が見つかったのは夫でした。

でも妊活は、
夫だけの身体の話ではありません。

夫が手術まで向き合ってくれたからこそ、
私も一度、ちゃんと調べておきたいと思いました。

夫だけじゃなく、
私にも何か原因があるかもしれない。

そう思って、
女性ブライダルチェックを受けることにしました。

これは、
私にも原因があるかもしれないと思った日の話です。


自分は大丈夫だと思っていた

正直に言うと、
私はどこかで、自分は大丈夫だと思っていました。

おりものの違和感は長くありました。

細菌性膣炎と言われたり、
異常なしと言われたり、
気にしすぎなのかなと思ったり。

婦人科には何度も行っていました。

でも、妊娠に関わる検査を
きちんと受けたことはありませんでした。

生理は毎月来ていました。

周期は少し長めだったけれど、
何か月も来ないわけではありませんでした。

だから、
まさか自分に妊娠しづらさの原因があるかもしれないとは、
あまり考えていませんでした。

夫の検査結果が分かるまでは。


私も一度、ちゃんと調べておきたい

夫の手術が終わったあと、
少しずつ気持ちが落ち着いてきました。

それまでは、
夫の検査や手術のことで頭がいっぱいでした。

再受診。
手術の相談。
ウレアプラズマの治療。
術後の痛みや生活。

夫のことを優先していて、
自分の検査まで考える余裕はあまりありませんでした。

でも、夫が手術を受けてくれて、
少し一区切りついた時に思いました。

私も一度、ちゃんと調べておこう。

もし私にも何かあったら、
知らないまま時間だけが過ぎていくのは怖い。

問題がなければ安心できるし、
何か分かれば、早めに考えることができる。

そう思って、
女性ブライダルチェックを予約しました。


費用は安くなかったけれど、今知りたいと思った

女性ブライダルチェックは、
自費診療でした。

費用も決して安くありませんでした。

だから最初は、
今受けるべきなのか少し迷いました。

もう少し様子を見てもいいのかな。

まだ妊活を始めたばかりだし、
急がなくてもいいのかな。

そんな気持ちもありました。

でも、夫の男性不妊が分かったことで、
私たちの妊活はもう「なんとなく」では進められない気がしていました。

知らないまま不安でいるより、
知った上で考えたい。

そう思いました。


検査当日、少し緊張していた

検査当日。

私は少し緊張していました。

婦人科には何度も行ったことがありました。

内診も初めてではありません。

それでも、
妊娠に関わる検査を受けると思うと、
いつもの婦人科とは少し違う緊張がありました。

何もなければ安心できる。

でも、
もし何か見つかったらどうしよう。

そんな気持ちがありました。

検査では、
エコー検査や採血、子宮頸がん検査など、
妊娠に関わる項目を一通り調べてもらいました。

詳しい検査内容を聞きながら、
自分の身体をちゃんと知るための検査なんだと感じました。


「多嚢胞かもしれませんね」と言われた

診察では、
まず生理周期について聞かれました。

私の生理周期は、
だいたい34日から45日くらいでした。

毎月来てはいるけれど、
一般的には少し長め。

その話をすると、
先生から

「周期が長めなので、多嚢胞の可能性があるかもしれませんね」

と言われました。

その時はまだ、
そこまで深刻には受け止めていませんでした。

多嚢胞。

聞いたことがあるような、
ないような言葉でした。

そういう可能性もあるんだ。

そのくらいの気持ちでした。

でもそのあと、
エコー検査でさらに不安になる言葉を聞くことになります。


エコーで見えた、小さな黒い丸

エコー検査では、
モニターを見ながら説明を受けました。

子宮には、
ポリープなど気になる所見はないと言われました。

その言葉を聞いて、
少し安心しました。

でも次に卵巣を見た時、
先生が言いました。

「多嚢胞っぽいですね」

「左の方がより顕著です」

モニターには、
小さな黒い丸がいくつも並んでいました。

先生は、

「こういう黒い丸が並んでいて、
ネックレスみたいに見えるので、
ネックレスサインと言うんです」

と説明してくれました。

ネックレスサイン。

初めて聞く言葉でした。

その響きはきれいなのに、
私にはとても不安な言葉に聞こえました。


まだ診断されたわけではなかった

その場で、
PCOSと確定したわけではありませんでした。

先生からも、
エコーだけで判断するのではなく、
採血のホルモン検査などの結果も含めて、
総合的に見ていくと説明されました。

だからこの時点では、
まだ「疑い」でした。

それでも私は、
ネックレスサインという言葉が頭から離れませんでした。

多嚢胞かもしれない。

排卵しにくいかもしれない。

排卵日の予測が難しいかもしれない。

妊娠まで時間がかかるかもしれない。

診断されたわけではないのに、
不安だけが先に大きくなっていきました。


病院を出てから、検索が止まらなかった

診察中は、
意外と冷静でした。

先生の説明を聞いて、
分からないなりにうなずいていました。

でも病院を出たあと、
一気に不安が押し寄せてきました。

夫の仕事が終わるまで、
私は駅で待っていました。

その間、
スマホでずっと検索していました。

PCOS。
ネックレスサイン。
多嚢胞。
妊娠しにくい。
不妊。

検索すればするほど、
不安になる言葉が出てきました。

見なければいいのに、
見るのをやめられませんでした。


夫婦そろって不妊だったらどうしよう

夫は、男性不妊が分かりました。

精索静脈瘤の手術も受けました。

そして今度は、
私にも妊娠しづらさの原因があるかもしれない。

そう思った瞬間、
胸が苦しくなりました。

夫婦そろって不妊だったらどうしよう。

これから、
どれくらい時間がかかるんだろう。

どれくらいお金がかかるんだろう。

自然に妊娠できる可能性はあるのかな。

不妊治療が必要になるのかな。

まだ何も決まっていないのに、
先の不安ばかりが大きくなっていきました。


夫にLINEを送った

ひとりで抱えきれなくなって、
夫にLINEを送りました。

「受けてきた。私もよくないかもしれん。帰ったら話すね」

そう送るのが精一杯でした。

すると夫から、
返事が来ました。

「良くなくても一緒に頑張ろう」

その言葉を見た時、
少しだけ息ができた気がしました。

結果はまだ出ていません。

何が分かったわけでもありません。

それでも、
一緒に頑張ろうと言ってくれたことが、
すごく心強かったです。


すぐに電話をくれた

夫は、
LINEだけではなく、
すぐに電話もしてくれました。

「大丈夫?」

「どんな感じだったの?」

「不安は溜めずに話しなよ」

そう言ってくれました。

その言葉に、
私は救われました。

少し前まで、
妊活のことで夫とすれ違っていました。

私ばかり考えているように感じたり、
夫の気持ちが分からなくなったり、
何度も泣いたりしました。

でもこの時の夫は、
ちゃんと私の不安を聞こうとしてくれていました。

一緒に頑張ろうとしてくれている。

そう感じました。


ひとりで抱えなくていいと思えた

もし夫の言葉がなかったら、
私はもっと不安になっていたと思います。

検索して、
落ち込んで、
また検索して。

自分も不妊かもしれない。

夫婦で妊娠しづらいのかもしれない。

そんなことばかり考えて、
ひとりで苦しくなっていたと思います。

でも夫が、

「良くなくても一緒に頑張ろう」

と言ってくれたことで、
少しだけ気持ちが軽くなりました。

まだ何も解決していない。

でも、
ひとりじゃない。

そう思えました。


検査を受けてよかったと思った

この時点では、
まだ結果待ちでした。

PCOSと診断されたわけでもありません。

ホルモン検査の結果も、
まだ分かっていませんでした。

それでも私は、
検査を受けてよかったと思いました。

怖かったけれど、
自分の身体を知るために動けたこと。

夫だけではなく、
私も妊活に向き合う一歩を踏み出せたこと。

それは、
私たち夫婦にとって大事なことだったと思います。


今振り返って思うこと

あの日、
ネックレスサインと言われた時、
私はすごく不安になりました。

まだ診断されたわけではないのに、
もう自分も不妊かもしれないと思ってしまいました。

夫の男性不妊が分かったあとだったからこそ、
余計に怖かったのだと思います。

また何か見つかった。

また妊娠から遠ざかるかもしれない。

そんなふうに感じていました。

でも今振り返ると、
あの日検査を受けたことは、
ちゃんと前に進むための一歩でした。

問題があるかどうかを知ることは、
怖いことでもあります。

でも、
知らないまま不安でいるより、
知った上でふたりで考える方が、
私たちには合っていたのだと思います。


同じように不安を抱えている人へ

検査を受ける前は、
「何もなければ安心」と思っていました。

でも実際には、
何か見つかったらどうしようという怖さもありました。

結果を知ることは、
いつも安心だけをくれるわけではありません。

時には、
新しい不安が増えることもあります。

でも、
自分の身体を知ることは、
これからどう進むかを考えるきっかけにもなります。

もし検査を受けるか迷っている人がいたら、
不安な気持ちがあるのは自然なことだと思います。

怖いと思いながらでも、
自分の身体と向き合おうとしているだけで、
十分頑張っていると思います。


次のお話

女性ブライダルチェックで、
ネックレスサインを指摘されました。

まだPCOSと確定したわけではありません。

でも、
私にも妊娠しづらさの原因があるかもしれない。

そう思ったことで、
排卵日のことを前より気にするようになりました。

もし排卵しづらいなら、
どうやってタイミングを取ればいいんだろう。

そう考えるようになったことで、
妊活の頻度についても、
夫と話し合う必要が出てきました。

次のお話では、
妊活の頻度について夫と話し合い、
初めて夫の本音を知った時のことを書いています。

▶ 第15話|妊活の頻度で、初めて夫の本音を知った


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