第12話|ウレアプラズマ陽性と言われた日

※この記事は、私たち夫婦の体験談です。
検査結果や治療方針には個人差があります。
医療的な判断が必要な場合は、専門の医療機関へ相談してください。

夫の精索静脈瘤の手術日が決まり、
少しずつ前に進み始めていた頃。

術前検査で、
また別の不安が出てきました。

ウレアプラズマ陽性。

その言葉を聞いた時、
私は頭が真っ白になりました。

長く続いていたおりものの違和感。
性感染症かもしれないという不安。
夫に検査へ行ってほしかった3年間。

その全部が、
一気に戻ってきたような感覚でした。

これは、
ウレアプラズマ陽性と言われた日と、
その時の私の気持ちの話です。


追加検査の話を、軽く聞いた

夫の精索静脈瘤の手術前に、
術前検査がありました。

その検査のあと、夫から

「なんか膀胱らへんに出血が見られたらしくて、
追加で性病の検査受けてきたよ」

と聞きました。

夫は、
そんなに大きなことではないような感じで話していました。

でも私は、
その言葉を聞いた瞬間に不安になりました。

え、何の検査?

どういうこと?

なんでそれを早く言わないの?

私の中では、
一気に不安が膨らみました。

夫の話では、
エコーで膀胱付近に出血らしきものが見えると言われたそうです。

マイコプラズマやウレアプラズマで
そうなる人もいるから、
念のため追加で検査することになった。

そう聞きました。

夫にとっては、
先生に言われたから追加で検査を受けた、
くらいの感覚だったのかもしれません。

でも私にとっては、
ずっと怖かったことがまた目の前に戻ってきたように感じました。

「なんでそれ、早く言ってくれなかったの」

そんなふうに思って、
少し喧嘩にもなりました。


結果を待てなかった

夫の術前検査の結果は、
早くても2週間後くらいに出る予定でした。

でも私は、
その2週間をただ待つことができませんでした。

もし感染症があったら。
今までのおりものの違和感と関係があったら。
妊娠しにくい身体になっていたら。

考え始めると、
いてもたってもいられませんでした。

それで私は、
すぐに検査を受けられるクリニックを探しました。

マイコプラズマとウレアプラズマの検査は自費診療でした。

本当は両方受けたかったけれど、
費用のこともあり、
その時は一旦、マイコプラズマだけ受けることにしました。

費用は8,500円くらいでした。

今思うと、
それくらい私は不安だったんだと思います。

何かしていないと、
気持ちが落ち着かなかったんだと思います。


マイコプラズマは陰性だった

私が受けたマイコプラズマの検査は、
1週間ほどで結果が出ました。

結果は陰性でした。

その時、
私たちは一度ほっとしました。

「一旦安心だね」

そう言って、
ふたりで抱き合いました。

ずっと不安だったからこそ、
陰性という結果に少し救われた気がしました。

でも、
夫の検査結果はまだ出ていませんでした。

完全に安心できたわけではありません。

それでもその時は、
少しだけ肩の力が抜けました。

このまま何もなければいい。

そう思っていました。


夫から「後で電話できる?」とLINEが来た

夫が術前検査の結果を聞きに行った日。

夫からLINEが来ました。

「後で電話できる?」

その一文を見た時、
私は内心、何かあったんだろうなと思いました。

できるよ。
電話できるようになったらかけていいよ。

そう返信しながらも、
胸のあたりがざわざわしていました。

少しして、夫から電話がありました。

電話に出ると、
夫は最初にこう言いました。

「ごめん。怒らずに聞いてほしい」

その言葉を聞いた瞬間、
やっぱり何かあったんだと思いました。

そして夫は続けました。

「ウレアプラズマ陽性だった」

「ごめん。俺が原因だったかもしれない」

「ちゃんと2人で治していこう」

「明日休みだったよね。明日の13時から予約取ってきたから、一緒に薬もらいに行こう」

夫はそう言ってくれました。


最初に来たのは、ショックだった

ウレアプラズマ陽性。

その言葉を聞いた時、
最初に来たのはショックでした。

あ、感染症だったんだ。

そう思いました。

次に来たのは、怒りでした。

なんで今まで検査に行ってくれなかったの。

私は何度も不安だと言っていたのに。

ずっとおりものの違和感があって、
何度も婦人科に行って、
それでも原因が分からなくて。

気にしすぎなのかな。
私の感覚がおかしいのかな。

そう思ってきた時間が、
一気に思い出されました。

そして次に来たのは、不安でした。

今までのおりものの原因だったのかもしれない。

3年も放置していたのかもしれない。

もしそのせいで、
妊娠しにくい身体になっていたらどうしよう。

頭の中で、
不安がどんどん大きくなっていきました。


夫を責める気持ちになってしまった

夫は電話で謝ってくれました。

「俺が原因だったかもしれない」

そう言ってくれました。

翌日の予約も、
すでに取ってくれていました。

ちゃんと2人で治していこうと、
言ってくれていました。

それなのに私は、
すぐに冷静にはなれませんでした。

ショックで、
怒りもあって、
不安でいっぱいで。

あの時の私は、
これまでの不調や不安の理由を、
夫に向けてしまっていたと思います。

なんで検査に行ってくれなかったの。

もっと早く分かっていたら、
何か違ったかもしれないのに。

そんな気持ちが、
抑えきれませんでした。

夫を責めたいわけではなかったはずなのに、
言葉の奥には、
責める気持ちが混ざっていたと思います。


3年間の不安が、一気にあふれた

今振り返ると、
あの日の怒りは、
ウレアプラズマ陽性という結果だけに向いていたわけではなかったと思います。

付き合っていた頃から続いた、
おりものの違和感。

何度も婦人科へ行ったこと。

異常なしと言われたり、
気にしすぎかもしれないと思ったり。

夫に検査へ行ってほしいと言いながら、
なかなか進まなかったこと。

その全部が、
ウレアプラズマ陽性という結果で、
一気にあふれてしまったのだと思います。

「やっぱりこれだったのかもしれない」

そう思った瞬間、
私は自分を守るように、
夫を責める気持ちになってしまいました。

ずっと不安だった。

ずっと怖かった。

その気持ちの行き場がなくて、
夫に向かってしまったのだと思います。


それでも、夫は向き合おうとしてくれた

でも、夫は逃げませんでした。

ごめんと謝ってくれて、
2人で治していこうと言ってくれて、
翌日の予約まで取ってくれていました。

そのことは、
今でも覚えています。

あの時の私は、
怒りや不安の方が大きくて、
夫の行動をすぐには受け取れなかったかもしれません。

でも夫は、
ちゃんと向き合おうとしてくれていました。

自分だけの問題にせず、
私と一緒に治療しようとしてくれていました。

本当はそのことも、
ちゃんと見ようとすれば見えていたはずです。

でも当時の私は、
それ以上に不安でいっぱいでした。


夫婦で薬をもらいに行った

翌日、
夫婦でクリニックへ行きました。

そして2人で、
ビブラマイシンを1週間飲むことになりました。

薬を飲めば治るかもしれない。

そう思うと、
少し希望もありました。

今まで分からなかった違和感の理由が、
これだったのかもしれない。

治療したら、
少し良くなるかもしれない。

そう思いたかったです。

不安と怒りだけではなく、
やっと原因に近づけたのかもしれないという気持ちもありました。


治療後、少し改善した

薬を飲み終わったあと、
おりものの違和感は少し改善したように感じました。

完全に不安がなくなったわけではありません。

でも、
前より少し良くなったかもしれない。

そう感じられたことは、
私にとって大きかったです。

長く続いていた不安が、
少しだけ軽くなった気がしました。

もちろん、
この時点ですべてが解決したわけではありません。

でも、
夫婦で一緒に治療できたことは、
ひとつの前進だったと思います。


今振り返ると、簡単に責められる話ではなかった

あの時の私は、
夫を責める気持ちが強くなっていました。

でも今振り返ると、
昔、夫が検査を受けてくれていたとしても、
ウレアプラズマが見つかっていたとは限らなかったと思います。

ウレアプラズマは、
一般的な性感染症検査の項目に
必ず入っているとは限りません。

自費診療になることもあり、
そもそも検査をしているクリニックが
限られていることもあります。

実際、私もこれまでに
いろいろなクリニックで何度も診てもらいました。

おりものの違和感があって、
何度も検査を受けてきました。

それでも、
ウレアプラズマの検査を受けたことは
一度もありませんでした。

だから本当は、
「もっと早く検査してくれていたら」
と簡単に言い切れる話ではなかったのかもしれません。

たとえ夫が昔検査を受けていたとしても、
その検査項目にウレアプラズマが入っていなければ、
見つからなかった可能性もあります。

そのことに、
当時の私は気づけませんでした。

冷静に考える余裕がなかったのだと思います。


それでも、あの時は苦しかった

今なら、
少し冷静に考えられることがあります。

でも、
当時の私が苦しかったことも、
嘘ではありません。

3年間、
おりものの違和感に悩んできたこと。

何度も婦人科に行ったこと。

原因が分からないまま、
自分の感覚を疑ってきたこと。

夫に検査へ行ってほしいと言いながら、
なかなか進まなかったこと。

その全部があったから、
ウレアプラズマ陽性という結果を聞いた時、
私は冷静ではいられませんでした。

夫だけのせいだと
言い切れる話ではなかった。

でも当時の私は、
そう思えないくらい不安だった。

その両方が、
本当の気持ちです。


今振り返って思うこと

あの日の私は、
本当に余裕がありませんでした。

ウレアプラズマ陽性と聞いて、
ショックを受けて、
怒って、
不安になって。

その感情の行き場がなくて、
夫を責める気持ちになってしまいました。

でも今は、
あの時の自分を責めすぎなくてもいいのかなと思っています。

ずっと不安だったから。
ずっと怖かったから。
やっと出た結果に、
気持ちが追いつかなかったから。

そして同時に、
夫のことも責めきれないと思っています。

検査していても、
見つかっていたとは限らなかった。

夫も、結果を聞いてすぐに謝ってくれて、
予約まで取ってくれて、
一緒に治そうとしてくれていました。

あの日の私たちは、
ふたりとも余裕がなかった。

でも、
ふたりで治そうとはしていました。

それだけは、
ちゃんと覚えていたいです。


同じように不安を抱えている人へ

身体の違和感が続くと、
それだけで心も疲れていきます。

原因が分からないまま時間が過ぎると、
自分の感覚すら信じられなくなることがあります。

そして、
やっと何かが分かった時、
安心より先に怒りや不安が出てくることもあると思います。

私はそうでした。

でも、
怒りの奥には、
ずっと怖かった気持ちがありました。

ひとりで抱えてきた不安がありました。

もし同じように不安を抱えている人がいたら、
自分を責めすぎないでほしいです。

そして、必要だと思った時は、
ひとりで抱えずに医療機関に相談してほしいです。

検査項目や治療方針は、
病院によっても違うことがあります。

不安なことがある時は、
「何を検査したのか」
「他に調べられる項目はあるのか」
を聞いてみることも、
ひとつの安心につながるかもしれません。


次のお話

ウレアプラズマの治療をしながら、
夫の精索静脈瘤の手術日も近づいていきました。

手術は日帰りとはいえ、
夫の身体に負担がかかることに変わりはありません。

当日を迎えるまで、
私も落ち着かない気持ちでした。

次のお話では、
夫の手術が終わった日のことを書いています。

▶ 第13話|夫の手術が終わった日


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